〒321-0104 栃木県宇都宮市台新田1-2-25 TEL:028-658-6111 0120-4430-92(よしざわ9リ2ック)
コロナ禍の渦中で、医療機関・患者双方の不安も強いため「過剰医療」になりがちですが、自分も含めて医療機関でのお薬の処方が多いと年々感じています。患者さんの健康を守り支える「医療の質の向上」へ向けて、減薬への取り組みは「待ったなし!」と考えます。お読み頂いて当院の減薬への姿勢にご理解頂ければ幸いです。<クスリが多い!>過日、新聞の投書欄にこのような特集が組まれました。「薬まだある?」医師からも質問を(57歳女性・会社員)昨年度、医療機関に支払われた医療費概算額はナント42兆円超!と過去最高を更新しました。一方で処方された薬が大量に捨てられている話も耳にする。社会保険料が有効に使われていないとしたら悲しい…義母の通院に付き添うと必ず湿布や飲み薬が大量に出されて、家の段ボールに溜まっていた。そこでお願いです。社会保障維持のため、子供にツケを残さないため、お医者さまから「クスリはまだありますか」と聞いてください。<服用中止しても体に変化なく…>(83歳女性)長年薬漬けで、ときどき副作用にも悩まされる。受診時に「良くなりました!」といったのに、これまでと同じように薬を出されたことがある。飲むのを止めてみたが、何ら変わらなかった ^_^;;;クスリは捨てることが多いです。これまで山ほどクスリを飲んできて、年齢的にもこれ以上良くなる希望も持てないので、受診回数を減らし食事の工夫や外出を心がけている。そして何となく気づいたのは、医師と病院と薬局とは互いに支え合って経営が成り立っているということだ。それを助けているのが患者だと思う。本当に必要なときに病院に行く必要はあるが、検査数値に少々不安があるくらいなら、年齢的にも普通のことと思いやり過ごすこととした。痛みや苦しさと闘うのはストレスになるから病院へ行くが、「何のこれしき!」と思い直して自分を励ますこともある。私は優等生患者にはなりたくない。「知りませんよ!」と医者から突き放されても、その時は寿命だ、と思うようにしている。<自己負担少ないほどもらいがち>(63歳薬剤師)日頃の業務で感じるのは、医師による薬の処方のし過ぎと患者側も安易に薬をもらい過ぎている現状です。飲み忘れを医師に言えず、処分してと薬局に持ち込む人もいます。薬局から医師に連絡し減らしてもらうこともあります。しかし中には「医師の感情を害したくない」と嫌がる人も多いです。自己負担の低い高齢者はちょっとしたことで受診し、多くのクスリをもらいがち。公費助成のある人ほどジェネリックを嫌い、高い先発薬を希望しがちです。義母が高齢者施設に入っていますが、漫然と多剤を処方され認知症を招きかねないのではとも感じています。それをチェックする人もいません。姉は末期がんになっても以前から飲んでいたコレステロール薬を処方されていました (^^;;; 明日をも知れぬ命になっても、です。これでは、医療費抑制など不可能ではないでしょうか。適切な処方に加え、患者側も薬に頼らない健康維持を考えていく必要があるのではないでしょうか? <医師も患者も減らす努力必要>(老人保健施設長・前川喜平医師)医師として高齢者の薬の多剤併用が気になっている。入所時にポリ袋に満杯の残薬を持参する人も多い。こんなに多くの薬を飲んでも大丈夫なのか、多種類の薬が本当に効いているのかーー疑問である。高齢者への投薬の研究報告によると、服用する薬剤が6種類以上になると副作用が出やすくなるらしい。高齢になると腎臓や肝臓の血流が低下し、薬が代謝されにくくなる。私の施設では、90歳以上の利用者の場合、薬について薬剤科長と話し合う場を設け、希望者には種類や量を調節している。薬を減らしても症状は出なかったり、かえって食欲が出て元気になったりするケースもある。健康状態や余命を考えると、じつは飲まなくてもいいクスリがあるのではないか。高齢者も具合が悪くなるたびにクスリを飲もうという発想を止められないか。医師も処方するクスリを減らせないか。クスリが少ない方が介護する家族も楽である。そして医療費の削減にもつながる。<対話で納得、賢く選ぼう>〜小泉俊三医師〜「過ぎたるは猶及ばざるが如し」は医療にも当てはまります。医師は「クスリが欲しい」と言われれば処方する方向に気持ちが傾く。前回と同じ「DO処方」が無難だし薬の変更や中止にあたっては処方した別の医師の顔を潰したくないとも思う。薬剤師も医師の顔色を窺って「疑義照会」をためらいがちです。一方、患者には薬に対し「信仰」に近い思いがあり、長年服用した薬をやめようと言われたら「じゃぁ、今までは何だったのか!」と怒り出す人もいます。薬が効く、効かないをはじめ、科学的合理性だけでは説明できないことが起きるのが医療現場です。だからこそ「納得して選ぶ」ことが大切。患者の健康のために、医療職は誇りを持って辛抱強く対話を続ける。患者も自らが病気を治す主人公であることを忘れずに。特効薬はありません。患者と医者がお互いに地道な努力を重ねて欲しいと思います。<クスリはリスク!> 〜インチョーより〜自分の体の主人公は、自分であることを忘れずに、賢く医師や医療機関を利用しながら健やかで楽しい人生を送るために今日も対話を続けていきます。
オンライン資格確認を導入しています。 感染対策として栃木県がんセンターとの連携のもと院内トリアージを実施しています。 皆様のご理解とご協力をお願い致します。 ・栃木県立がんセンター乳腺外科 ・独協医大乳腺センター ・自治医大・乳腺科 との乳がん地域連携を実施しております。
コロナ禍の渦中で、医療機関・患者双方の不安も強いため「過剰医療」になりがちですが、自分も含めて医療機関でのお薬の処方が多いと年々感じています。
患者さんの健康を守り支える「医療の質の向上」へ向けて、減薬への取り組みは「待ったなし!」と考えます。
お読み頂いて当院の減薬への姿勢にご理解頂ければ幸いです。
<クスリが多い!>
過日、新聞の投書欄にこのような特集が組まれました。
「薬まだある?」医師からも質問を(57歳女性・会社員)
昨年度、医療機関に支払われた医療費概算額はナント42兆円超!と過去最高を更新しました。
一方で処方された薬が大量に捨てられている話も耳にする。
社会保険料が有効に使われていないとしたら悲しい…
義母の通院に付き添うと必ず湿布や飲み薬が大量に出されて、家の段ボールに溜まっていた。
そこでお願いです。社会保障維持のため、子供にツケを残さないため、お医者さまから「クスリはまだありますか」と聞いてください。
<服用中止しても体に変化なく…>(83歳女性)
長年薬漬けで、ときどき副作用にも悩まされる。
受診時に「良くなりました!」といったのに、これまでと同じように薬を出されたことがある。
飲むのを止めてみたが、何ら変わらなかった ^_^;;;
クスリは捨てることが多いです。これまで山ほどクスリを飲んできて、年齢的にもこれ以上良くなる希望も持てないので、受診回数を減らし食事の工夫や外出を心がけている。
そして何となく気づいたのは、医師と病院と薬局とは互いに支え合って経営が成り立っているということだ。それを助けているのが患者だと思う。
本当に必要なときに病院に行く必要はあるが、検査数値に少々不安があるくらいなら、年齢的にも普通のことと思いやり過ごすこととした。
痛みや苦しさと闘うのはストレスになるから病院へ行くが、「何のこれしき!」と思い直して自分を励ますこともある。
私は優等生患者にはなりたくない。「知りませんよ!」と医者から突き放されても、その時は寿命だ、と思うようにしている。
<自己負担少ないほどもらいがち>(63歳薬剤師)
日頃の業務で感じるのは、医師による薬の処方のし過ぎと患者側も安易に薬をもらい過ぎている現状です。
飲み忘れを医師に言えず、処分してと薬局に持ち込む人もいます。
薬局から医師に連絡し減らしてもらうこともあります。しかし中には「医師の感情を害したくない」と嫌がる人も多いです。
自己負担の低い高齢者はちょっとしたことで受診し、多くのクスリをもらいがち。
公費助成のある人ほどジェネリックを嫌い、高い先発薬を希望しがちです。
義母が高齢者施設に入っていますが、漫然と多剤を処方され認知症を招きかねないのではとも感じています。それをチェックする人もいません。
姉は末期がんになっても以前から飲んでいたコレステロール薬を処方されていました (^^;;; 明日をも知れぬ命になっても、です。
これでは、医療費抑制など不可能ではないでしょうか。適切な処方に加え、患者側も薬に頼らない健康維持を考えていく必要があるのではないでしょうか?
<医師も患者も減らす努力必要>(老人保健施設長・前川喜平医師)
医師として高齢者の薬の多剤併用が気になっている。入所時にポリ袋に満杯の残薬を持参する人も多い。
こんなに多くの薬を飲んでも大丈夫なのか、多種類の薬が本当に効いているのかーー疑問である。
高齢者への投薬の研究報告によると、服用する薬剤が6種類以上になると副作用が出やすくなるらしい。
高齢になると腎臓や肝臓の血流が低下し、薬が代謝されにくくなる。
私の施設では、90歳以上の利用者の場合、薬について薬剤科長と話し合う場を設け、希望者には種類や量を調節している。
薬を減らしても症状は出なかったり、かえって食欲が出て元気になったりするケースもある。
健康状態や余命を考えると、じつは飲まなくてもいいクスリがあるのではないか。
高齢者も具合が悪くなるたびにクスリを飲もうという発想を止められないか。
医師も処方するクスリを減らせないか。
クスリが少ない方が介護する家族も楽である。そして医療費の削減にもつながる。
<対話で納得、賢く選ぼう>〜小泉俊三医師〜
「過ぎたるは猶及ばざるが如し」は医療にも当てはまります。
医師は「クスリが欲しい」と言われれば処方する方向に気持ちが傾く。
前回と同じ「DO処方」が無難だし薬の変更や中止にあたっては処方した別の医師の顔を潰したくないとも思う。
薬剤師も医師の顔色を窺って「疑義照会」をためらいがちです。
一方、患者には薬に対し「信仰」に近い思いがあり、長年服用した薬をやめようと言われたら「じゃぁ、今までは何だったのか!」と怒り出す人もいます。
薬が効く、効かないをはじめ、科学的合理性だけでは説明できないことが起きるのが医療現場です。
だからこそ「納得して選ぶ」ことが大切。
患者の健康のために、医療職は誇りを持って辛抱強く対話を続ける。
患者も自らが病気を治す主人公であることを忘れずに。特効薬はありません。
患者と医者がお互いに地道な努力を重ねて欲しいと思います。
<クスリはリスク!> 〜インチョーより〜
自分の体の主人公は、自分であることを忘れずに、
賢く医師や医療機関を利用しながら
健やかで楽しい人生を送るために
今日も対話を続けていきます。