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2021年2月8日
歌えなくなっても、今は十分に幸せ
歌えなくなっても、今は十分に幸せ

朝日新聞に、「世界対がんデー」へ向けて、喉頭がんで声帯を全摘したつんく♂さんのメッセージが紹介されていましたのでご紹介します。

人間、生きていれば誰でも事故や病気にぶち当たる可能性があります。
日本にも近い将来大きな直下型地震がやってくると言われていますが、実際はみんなほとんど気にせず生きているのが実情です。

病気は、突然やってきます。
まさに地震と一緒。
しかし、毎日、死や病気への恐怖を感じながら生き続けるのでは、自分が何のために生きているのか、全く分からなくなってしまいます。

喉頭がん摘出のため、声帯を全摘してからよく、「歌えなくなって悲しいのではないですか?」って聞かれます。
今でも歌っている夢を見ることはあります。

確かに歌えない事実は、とても残念です。
だけど毎日家族で一緒に過ごす時間がたっぷりある今、「不幸ですか?」って聞かれたら
「十分に幸せです!」としか、言いようがありません。

病気になったからといって、心の中まで病気に伏せるつもりはないのです。
己の心を元気にし「幸せだ」と感じて生きられるようにするのは、医者の仕事でも周りの誰かでもなく、自分でしかありません。

僕も過去を振り返って、病院でもしょっちゅうノドを診てもらっていたし、内視鏡の検査もしてもらったけど、医師の「まあ、大丈夫でしょう」という言葉に任せて、それ以上の検査をしなかったことをとても後悔しています。

検査のために仕事を1ヶ月休むとしたって、人生においては、ほんの一瞬のこと。
なぜそのくらいの休む勇気を持つことができなかったのか、今思えば不思議です。
やっぱ調子悪いわけだし、医師に「検査して下さい」ってお願いするのも自分で決められるわけなんだから。

振り返って、大手術をしてから6年の月日が流れました。
この間に、我が家の子どもたちもすっかり大きくなりました。
この先の人生を楽しく、幸せに生きるのも努力だなって思っています。
人生は楽しんだヤツの勝ちです。
初めての人生だし、最後の人生だしね。

あとは何より、病気って本人もツラいけど、家族の方がもっとツラいと思うんです。
やっぱり無意識のうちに気を遣わせてしまいますからね。

僕にとっての一番の宿題は、家族や周りにも一緒に元気に明るく楽しくなってもらうことです。

「オレ、病気だからみんな気を遣ってな!」みたいな顔をして生きるのはもったいないって思います。

これから先も健康に気をつけながら、でも、「健康」に押しつぶされないように、「まずは楽しく」「そして笑顔で!」。
「幸せだと思える人生」を送りたいと思います。

朝日新聞 2012年2月4日 23面 〜がんとともに〜

<インチョーより>
病気になると、自分も周りも「病気=不幸」と思ってしまいがちですが、
私の周りのサバイバーの方達は、強く生き、人生を楽しんでいらっしゃいます。

病気を経験すると、人は必ず、強く、賢く、そして優しくなるものです。
不安になったり、凹む時もありますが、必ず乗り越えられます。