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2019年12月23日
がん相談 〜ホットライン〜 から…
がん相談 〜ホットライン〜 から…
対がん協会報に2018年度のがん相談のアンケート集計が載っておりましたのでご紹介致します。

2018年度は、9611件で、不安などの心の問題が 41.7 %でトップ。
ついで「症状・副作用・後遺症」が、35.9 %、治療が 28.3 %と続きました。

女性が75%と男性の3倍を占め、年代別では50歳台が 23.4 % と最多でした。

疾患別では、乳がんが 28.5 % と最も多く、次いで大腸、肺、胃と罹患数の多いがんが上位を占めました。

<遺伝子パネル検査の相談>
2019年6月から、がん組織の多数の遺伝子を同時に調べる「遺伝子パネル検査」の一部が保険診療として認められるようになりました。
その結果、遺伝子変異が見つかり、それに対して効果が期待できる薬が使える可能性が出てきました。

その一方で、遺伝子変異が見つからない場合や見つかっても必ずしも治療薬がないといったドラッグ・ラグの問題もあります。

治療法の決定には、正しい情報を伝え、わかりやすく説明する、そして直面している問題への相談と納得のいく話し合いが重要と結ばれていました。

<治療を決定する難しさ>

治療選択のとき、主治医がパンフレットを使って解説したり、説明したりして、
「あとは自分で決めてください」と言われることが多くなっている。
しかし「いくら考えても決められない」といった相談も寄せられる。

がん治療はいくらデータがあってもそれが自分に当てはまるとは限らない。
100%の保証がない中での治療の選択を迫られる。
「治るなら辛い治療も我慢するが、治る保証がないなら踏み切れない」という相談や、
「副作用を避けたいため、より詳細な副作用のデータや対策を知りたい」といった相談も寄せられる。

また「単に命が助かればいい」というだけではなく、「治療後の生活も大事だ」と考える人も増えている。

命に直結するがん治療を決めるときには、何度も迷ったり、決心が揺らいだりしながら治療を選択していく。
そういう過程に寄り添って考えを整理したり、足りない情報を補ったりする役割が求められている。

がん診療拠点病院には「がん相談支援センター」が設置されているが、それを知らない人もいる。
また、一度相談しても、何度も相談するのは躊躇することが多いようだ。

「何度でも相談してもいいのですよ」と温かく伝え揺れ動く相談者の気持ちに寄り添う姿勢が求められている。

<実際の相談者からの声(一部)>
*経過観察の検査で異常が見つかった方…
毎回検査の度に、再発の不安があり、ちょっとしたことでも敏感になっていた。
今回追加検査になり、心配で精神崩壊しそうだった。
相談すると「羽根布団のように」優しく受け止めてくれた。
なんといっていいかわからないが、とにかくありがたい。

*治療の後遺症で悩む方…
行動を制限しなければならなかったり、容姿のことで他人の目が気になり、どうやって症状と付き合っていくべきか悩んでいた。
しかし、話すうちに色々な解決方法があることや自分が思うほど他人は自分の容姿に関心がないことに気づけ、明るい気持ちになれた。
きちんと聞いてくれて有難かった。

*再発で入院中の方…
家族と口論になり自分の決めた治療に反対され、選択が間違いなのかと自信がなくなっていたが、
話すうちに大丈夫と思えるようになり、落ち着いた。
みな優しいだけではなく、的確なアドバイスもしてくれて有難かった。
ここがなかったらどうなっていたことか。

*末期の母を在宅でケアしているご家族から…
仕事をしながら、がんの親を看ているが、今出ている症状に対するケアのこと今後のことなどで迷ってしまい相談した。
自分のやっていることを認めてもらえて安心できたし、自分の身体も気遣ってもらえた。
また話をしながら自分でどうすればいいか整理でき、聞いてもらって良かった。また相談したい。

<日野原重明先生の言葉から>
日野原先生は、「命の器」(PHP文庫)の中で、
「病気は多くの場合、人間を変えてしまうものだということを常に覚えておくべきである」
「病気が勇気ある人を臆病にし、考え深い人間を素朴にし、知的な人間を単純にし、忍耐強い人間を扱いにくいものにし、気楽な生き方をする人間をイライラして文句の多い人間にしてしまう」

「医者と患者は、一対一で語り、触れることで、患者の奥底のところにある病気が解決されるのである」
「医師はもっと病人と心と肌で触れ合うべきである。その間にギスギスしたものがないよう医師は心がけるべきである」

「多くの場合、医師の前に立った患者は、医師になんとものが言いにくいか。
医師には時間がなく、医師は絶えず待たされている次の患者の ”さばき” ばかりに気を取られていることが多い。
医師は忙しそうにして、病人の言葉をじっと聴こうという姿勢をとっていないことも多々ある。
病人はどの程度自分の問題を詳しく述べて良いか判断に迷い、ようやく一つか二つかだけ口に出すのみである。
それに対する医師はまた、高所から一方的に病人への理解不能な医学的知識を振りかざす。
若い先生の ”患者に治療を授けてやる” といった態度の前には、人生経験豊かな人々でも、気の毒なほど卑屈にならざるを得ない。
医師は、患者から色々な訴えや不安や問題をよく聴き出さない限り患者の病気を診断することはできないのに。」

患者は「この薬は何という降圧剤ですか」「費用はどうなるのですか」など聞きたいのに、
医師はなぜもっと親切に患者の納得のいくように答えないのか!

病人や家族との心おきない会話、高座からの一方的な命令ではなく、医師と患者とが水平に語りあう、
その中でこそ病が癒される過程が進行する。これが本当の「医のアート」だと思う。

と日野原先生は述べておられます。
読んでいると、冷や汗が出てきますが (^ ^;;; 日野原先生に近づけるよう日々精進を続けて参ります。