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2017年11月6日
一度で診療が終わる医者
一度で診療が終わる医者

精神科医・香山リカの「ココロの万華鏡」から…

今秋のとある精神医学会で、

30代と思われるドクターが、医療の対象になる「病」かどうかを客観的に決められるか、という基本的な問題について発表した。
 
私など診察室に「つらいんです…」と言ってやってくる人がいれば、
兎に角「よし、なんとかしましょう」と言って、訴えや生活について詳しく聞き、必要ならクスリを出す。
そして、「また、来週おいでください」と次の約束もする。
 
しかし、そのドクターが言うには、病院に来る人の中には必ずしも治療が適している「病」ではない人もいる、というのが近年の考え方だそうだ。
イギリスの病院ではすべての来院者の話を総合窓口で聞き、
場合によっては「医療を受ける必要はないですね」と言うのだという。 (トリアージの考え方に似ている)
 
総合窓口では、慢性の腰痛を訴える人に対して「まず、ボランティアをやってみてはどうですか」と体を動かすことを進める場合もある。
もちろん明らかに腰に病気がある場合は整形外科受診の手続きをするのだが、
その手前で「病気ではないと思いますよ」と伝え、生活指導や運動などで解決することも少なくない、という。
 
本人にとっても「深刻な病気かもしれないから専門医による診察や検査を受けましょう」と言われるよりも、
「わざわざ医者にかからなくても、ストレッチで良くなりますよ」と助言されたら、
うれしいし時間やお金の節約にもつながるのではないか。
 
そのドクターの発表を聞いてから、私は初めて来る患者さん数人に、
「継続的な治療は必要ありません」と言ってみた。
「眠れないのですね。不眠症かもしれませんが、誰もが一時的に経験する普通の眠りづらさかもしれません。
寝る直前までお酒を飲むのは止めて、晩酌をしても酔いが覚めてから寝る方が、睡眠の質も良くなりますよ。
それでもダメだったら、またいらしてみてください」
 
1回の診察で終わり、クスリも出ない診察に「たったこれだけ?!」と不安そうな人もいるが、
ほとんどの人は「安心しました。では深酒は控えてみます(^:^)」と笑顔になる。
 
症状らしきものがあっても「病気」とは限らない。
生活の改善やリラックスで軽くなるならそれで良いではないか。
 
「一度で診療が終わる医者」として腕を磨きたい、と思っている。
 
とありました。
 
開業医をしていると、患者さんの人の良さにつけ込んで、
病気を作り、病気のレッテルを貼り、患者さんを”クスリ漬け”にして、
いつも病院が混んでいて、いつまでも病院に通わせる先生もおられるのですが、
 
どういうときに、病院に行き、診察を受けた方が良いのか、
治療やクスリを飲んだ方がいいのかの考え方を患者さんに示しながら、
 
いざかかりたいときに病院が混雑して受診が遅くなったり、受診できないことのないよう、
そして患者さんが安心して受診し、そして安心して帰っていただけるよう
更に「知識」と「技術」を磨いて参ります!
 
いつも大勢の方に押し寄せて?!頂きまして誠に有難うございます。
 
参考文献:
香山リカのココロの万華鏡「一度で診療が終わる医者」毎日新聞2017.10.24.付