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2017年2月24日
セルフメディケーションの時代
セルフメディケーションの時代
2017年1月から、日本国民のセルフメディケーションの推進を目的として、
医療費控除の特例として”セルフメディケーション税制”が開始されました。

セルフメディケーションのメリットとして…
1 健康管理の習慣が身につく
2 医療や薬の知識が身につく
3 疾患により、医療機関に受診する手間と時間が省かれる
4 通院が減ることで、国民医療費の増加を防ぐ
などが考えられます。

WHO(世界保健機関)では…
「セルフメディケーション」のことを
「自分自身の健康に責任をもち、
軽度な身体の不調は自分で手当てできること」
と定義しております。

人間とはそもそも「病む」生き物であり、必ず欠陥を抱えて生きています。
そのことを踏まえたうえで、今日という日を健やかに生きればいいのです。
〜日野原重明先生の言葉より〜

まず、大切な人や愛する家族のために
「自分の健康」関心をもってください。

日野原重明先生は、また…
「多くの人々は自分の財産や名声や地位を得るために全力投球している。それなのに、財産やお金よりも大切な、自分の命のために全力投球している人は少ない。なぜ、その大切な命のために、時間と財産を提供しないのか、そうして安全に確保された命を思いきり有効に使おうとしないのか。自分の命を自分で格調高く保つための勉強を、各々がもっとしなければならない」と仰せです。

自分の身体は、かけがえのない「自分自身のもの」です。
他人や医者任せにしないで「だって素人だから、わからない…」という前に
わからないことは尋ねてみましょう!

最近は、血圧計や、ヘルスメーターなど体調をチェックする器具なども安価で入手しやすくなっており、スマホで「健康アプリ」などもかなりのスグレモノもあります。
賢く使っていきましょ〜ッ!

国家資格である医師や看護師は、
一般の人が、ある程度、自分で判断できるよう
「セルフメディケーション」を支援し教える義務を負っています。
病気の知識は、医師の専有物ではありません。

日野原先生の言葉から…
医療は医師のみが提供するものであるという一方的な考えは誤りである。
非専門家である一般の人々が自主的に健康行動(health practice)を起こすように脚本を作り、人々を動機づけること、健康は自分で管理するものだという健康教育が、
将来の医療専門職の使命ではないだろうか。
医療とは、究極的には教育であるとも言える。

音楽や美術、彫刻などのアートは、聴く人、観る人の批評によって育てられる。
悪い演奏をしたら、よくない作品を出品したら、その芸術家は次に表舞台に出る機会を失う。
ところが、医師や看護師が行う医療の実践(art)を評価できる患者は作られてこなかった。
一般の人に知識を与えず、医療について評価できる患者がいない。
だから「医のアート」が発展しないのである。
これは患者にとってはもとより、医療者にとっても不幸なことではないか。

(看護師に対しては…)
看護師が、家族や友人といった素人の介護者に、プロフェッショナルの立場から看護の仕方を教えるというのが、本当の看護であろう。
よりよいケアを実現するために、家族が体験学習ができるように、そばから援助をする。
患者の家族や友人は、careのassistant(助手)ではなく、associate(同志)なのである。

<医療のプロは、命令者ではなく、患者さんに寄り添う「指導的パートナー」である >
日野原重明先生は…
「英語では人としばらく別れるときに、"Take good care of yourself."と言う。
「お大事に」 ということだが、「あなた自身がそうしなさい」と表現されている。
身体に気をつける主 体は自分であって、医師ではない。
医師は、一つの方針、一つのアドバイスを伝えるのみである。
医師が行動するのではなく、自分で行動するのである。
「セルフ・ケア」とい う言葉を基盤にして、自分の毎日の生活を変え、悪い習慣が作り上げる病気を予防し、 退治すべきなのである」とも仰っています。

さらに、医師への戒めとして…
「社会への還元 得られた知識は、社会に還元することによって、本当の知識であり得る。医師をはじめ、 医療に従事する人たちは、自分の医学的知識を社会に還元するのが真の医療人である、 という立場に立つべきである。その意味で医学は他の自然科学とは一線を画するものな のだ。別の言い方をすると、人間のいのちに還元をすることによって、それこそが「医学」と呼ばれるのである。

<健康教育について>
健康教育とは、健康に関する情報を提供することであり、人々が自己学習ができるよう な学習資源を提供することである。また、病気に関する知識だけでなく、医師の診察のかかり方といった、医療システムの利用の仕方なども必要であろう。その場合、高いところから教える訓示的・講壇的な教育ではなく、経験学習、いわゆるワークショップのような方法が望ましい。

現在のシステムをそのままにして、医師自身の自覚だけを頼りに、日本の医療を変えていくのは難しい。
それよりは、一般の人々を教育したほうが、変化が早く現れるのではないか。
よい医師とはどういう医師かを識別できるような一般人、つまり優秀な患者を増やしていけばよいのである。

当院では、どういうときに自宅で様子を見て、
どのようなときには医療機関を受診しなければならないかーー
こういう症状のときには、医師はどう考え判断するかーー

患者さん自らが、ある程度、判断できますよう、受診したときにお教えしています。
また、頻度の高い症状や疾患に関しては、
ホームページの「お知らせ」欄などでも書き記しておりますので参考にしていただけましたら幸いです!

参考文献:
日野原重明「いのちの言葉」(春秋社,2002.)