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2016年8月1日
一度しかない人生、一つしかない身体
一度しかない人生、一つしかない身体
今回は、尊敬する日野原重明先生のご著作からです。
ご参考になりましたら幸いです。

私は習慣の大切さを説明する際に、よく「慣性の法則」を用います。
「慣性の法則」とはある物体に力を加えた場合、その物体は、抵抗力が働かない限り、そのまま運動を続けるというものですが、人間の習慣にもこの法則が当てはまります。

たとえば、一度良い習慣を身につけて仕舞えば、その人にとってそれは当たり前の生活のリズムになり、自動的にその行動が繰り返されます。

必要なのは、最初にちょっと力を加えて物体を動かすように、新しい習慣に一歩踏み出すこと。
それが適度な運動や、バランスのとれた食事などの習慣であれば、その後の健康は約束されたようなものです。

しかも、良い習慣には利息までついてきます。
これについては、心と体の関係を例に挙げて説明しましょう。

病気は、人の心にまで影を落とします。
ところが病気がちだった人が、一度良い習慣を身につけることによって、健康を取り戻していくことができたとすればどうでしょう。
その人は、体だけでなく、やがて心からも幸せな感覚を感じることができるようになるはずです。
体のためによかれと思って始めた習慣が、やがて心にも良い影響を及ぼしてくれる。これが利息です。
そして、結果的には、心身ともに元気に、楽しく生きられます。

悪い習慣を改め、良い習慣を身につけるために必要なのは、
はじめの一歩を踏み出すためのちょっとした勇気と決断だけです。


それさえクリアできれば、あとは「慣性の法則」に身をまかせるだけで、思わぬ幸福感が得られることになります。

一度しかない人生、一つしかない体です。
少しの努力も惜しんではなりません。

わたしは生きがいとは、自分を徹底的に大事にすることから始まると信じ、自分の多くの著書にもこの言葉をつづってきました。
ここでも、重ねてこの言葉を記しておきたいと思います。

もし、生きがいを見出せないという人がいたら、
それは自分を大切にしていないからかもしれません。
思い当たることがありませんか。

幸せな人生は、自分がよくしたいという気持ちから始まるということを、どうか忘れないでください。
そして、自分を大切にするために欠かせないものーーそれこそが「良い習慣」なのです。

参考文献:
日野原重明(2005)『生きるのが楽しくなる15の習慣』講談社+α文庫.