よしざわクリニック|乳腺科 内科 外科 消化器科 肛門科 整形外科|胃がん検診 大腸がん検診 乳がん検診|栃木県 宇都宮市

よしざわクリニック

〒321-0104 栃木県宇都宮市台新田1-2-25
TEL:028-658-6111
0120-4430-92(よしざわ9リ2ック)

お知らせ
RSS
2016年7月19日
ヘリコバクター・ピロリ感染の診断と治療のガイドラインが改定(1)
ヘリコバクター・ピロリ感染の診断と治療のガイドラインが改定(1)
今月7年ぶりに、ピロリ菌感染症のガイドライン(GL)が改定されました。
第22回日本ヘリコバクター学会学術集会(6/24-26)で、
GL作成委員長の加藤元嗣先生が、改定の経緯とポイントを解説しました。

今回の改定のポイントは、2013年から除菌治療が保険診療の対象となったことを受け、
胃癌予防について記載されたことです。

<ピロリ除菌が強く勧められる疾患(推奨レベルA)>
1 H.ピロリ感染胃炎
2 胃・十二指腸潰瘍
3 早期胃癌に対する内視鏡治療後胃
4 胃MALTリンパ腫
5 胃過形成性ポリープ
6 ピロリ菌関連ディスペプシア(HpD)
7 胃食道逆流症(GERD)
8 特発性血小板減少症(ITP)
9 鉄欠乏性貧血

これらの疾患でピロリ感染胃炎であれば、保険診療で除菌できます。

<除菌治療により胃粘膜の炎症・萎縮が改善>
学会のコンセンサスとして、除菌治療により炎症→萎縮→腸上皮化生への進展が抑制されます。
また、将来的には、胃癌の一次予防としての除菌も考えられています。

<関連が推測されている疾患>
① 慢性蕁麻疹(強く勧められる→関連が推測されるに格下げ)
② Cap polyposis(直腸・S状結腸に多発する特異な炎症性ポリープ)
③ リンパ腫の一部(Diffuse Large B cell type)
④ 直腸MALTリンパ腫
⑤ パーキンソン病
⑥ アルツハイマー病(ハザード比=1.46(46%増加させる)

<内視鏡による胃炎診断−胃炎の京都分類−>
1 萎縮性変化:粘膜が菲薄化し白っぽくなる
2 皺壁腫大・蛇行:胃粘膜ヒダが浮腫んで太くなる
3 点状・斑状発赤:主に胃上部
4 びまん性発赤:全体的に赤みを帯びた粘膜
5 粘液の付着
6 Xanthoma(黄色腫)
7 鳥肌状粘膜:スキルス胃癌との関連が疑われている
8 RAC(集合細静脈)の消失

胃の検診(ABC検診)などで、ピロリ抗体(+)の方は、
内視鏡検査をお勧めします。
未感染者:症状があれば内視鏡を
現感染者:除菌治療
既感染者:クロースドフォロー

<参考文献>
Medical Tribune vol.49,No28,July 14th,2016.
日本ヘリコバクター学会 homepage:http://www.jshr.jp/journal/index.html
春間賢他(2014)『胃炎の京都分類』日本メディカルセンター.