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2016年2月1日
ストレスについて(1)
ストレスについて(1)
「うつ」などのメンタルヘルス不調を予防するために、
労働安全衛生法が昨年2015年12月1日より改正され、
ストレスチェック制度が始まりました。
今回は、毎日新聞掲載の記事から、健康とストレスについて、奥村康・順天堂大学特任教授(免疫学)のお話です。
皆さまの参考になれば幸いです。

健康維持に必要なことで意外に見落とされているのが、
精神的なストレスだ。
いくら健康的な食事をしても、
ストレスが強ければ、脳や体は疲れ果て、
やがて病気になる。
ストレス管理に必要な心構えとは何か。
順天堂大学特任教授(免疫学)にストレス管理法を聞いた。

フィンランド症候群
健康維持に必要なこととして、定期的にしっかりと健康診断を受け、
真面目にコツコツと食事管理をする、といったイメージがある。
しかし、奥村教授は「精神的なストレスから見た場合には、あまりにも生真面目な態度より、
多少いい加減に対処した法が良い」と自説を話す。
その事例として、よく挙げられるのがフィンランドで実施された疫学調査。
1974年から15年間、40〜45歳の男性1200人を2つのグループに分け、
一方は定期的に健康診断を受けさせ、血圧などの薬が高ければ、薬を処方した。
また、喫煙やアルコールの飲み過ぎを控えるように指導し、食事や運動面でもアドバイスした。

もう一方のグループは、定期的に健康調査票に自分の健康状態等を記入するくらいで、
特に制約はもうけず、アルコールやたばこも好きな人は飲んでも吸っても良い、という条件で経過を見た。

15年経って、どちらが健康だったのか。
意外にも、制約のなかったグループの方が、死亡、自殺、心血管系の病気が少ないという結果が出た。
これをフィンランド症候群という。

健康のことを考えない方が、むしろ健康に良い⁈
この結果に関して、奥村教授は「検査数値にこだわり過ぎて、健康管理に神経質になるのは、
健康にとってはむしろマイナスに働くのでは」と免疫学の視点から解釈する。

必要以上に健康のことを考えない方が、むしろ健康に良い、という逆説だ。
心の状態と身体の健康は、思っている以上に密接につながっている。

健康状態が薬を飲まねばならないほどは悪くないのに、
勝手に異常だと思って、不安を感じてしまう方が、
身体に悪い影響を及ぼすーというのが、奥村教授の考え方だ。

良いストレスと悪いストレス
同じストレスでも、良いストレスと悪いストレスがある。
健康に良くないのは、
「愛する人を失う」「働きすぎてうつ状態になる」
「監禁・強制される」「ちょっとしたことで暗い気持ちになる」
など、免疫力を低下させるようなストレスだ。

逆に、何かに立ち向かうストレスは、免疫力を上げる。

運動でも長距離マラソンのようなハゲしい運動の後は、
免疫力が落ちて、風邪をひきやすくなったりする。
運動をするなら、ちょっと速足で歩く程度がよい。

自律神経には、交感神経と副交感神経があり、
ストレスがなく、リラックスした状態は、副交感神経が優位になったとき。
健康管理で大事なのは、そのバランスをうまく保つことだ。
朝から晩まで働きづめだと交感神経が優位になり、
車でいえば、アクセルの踏みっぱなし状態となって身も心も疲れ果てる。

がん細胞や風邪のウイルスなどを撃退するナチュラルキラー(NK)細胞などのリンパ球は、
ストレスのない副交感神経が優位のときに威力を発揮する。
このNK細胞を元気にさせておくことが免疫力の維持につながる。
「夜遅くまで働く人は、ちょっと昼寝をするとか、いい加減な不良っぽさも必要だ」
と奥村教授は話す。

最近は、腸内環境が免疫力維持に重要なことも分かってきた。
ストレスが強いと腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れる。
日頃から、乳酸菌飲料や納豆などを取って、腸内環境を整えるのもよい。

神経質はストレス増!
ストレスを少なくするには、日常のちょっとした気持ちのもち方も大切だ。
例えば「異性にトキめく』こともよい。誰かに恋して心がトキメイているときは、
風邪をひきにくかったり、持病の腰痛が軽く感じたりする体験が少なからずあるはずだ。
気分がいいと免疫力が上がるからだ。
妻を失った独身男性が妻のいる男性より短命といわれるのも、
こうしたストレスの観点からも説明できる。

たばことストレスの関係に関しては、異論が出てくることも予想されるが、
「禁煙によってストレスが高じてしまうほどの状態になるなら、
無理して禁煙するストレスの害の方が大きい」と奥村教授は見る。
肺がんの背景には「大気汚染なども関係している」との見方もあるからだ。

ストレスを感じないようにするには、
日常で笑う機会を増やすことも大事だ。
笑うとNK細胞の活性が上がる。
「かたい講義を聞いた後と漫才を聞いて笑った後では、
漫才を聞いて笑った後の方が、血糖の上昇が抑制された」
という糖尿病患者の実験結果もあるほどだ。

しかも、笑いは「作り笑い」でもよい。
笑顔を作れば、顔の筋肉が緩むため、脳は笑ったと判断し、
笑顔と同じような脳のホルモンを分泌し、
副交感神経が優位となる。

教会に通う人と通わない人を比べると、
通う人の方が、平均寿命が長いという米国の研究報告がある。
教会に通うこと自体が生活習慣を改善する効果もあるだろうが、
「祈りや信仰」は、自己治癒力にプラスのようだ。

病気になったときは、
「ここも痛い、あそこも痛い」と嘆くばかりではなく、
「今日はここが良くなった。あそこも良くなっている」と
良い面を見るように心がけることが大事だ。

食べるときには、「よく噛む」ことが大事になる。
「噛む」ことは、脳の血流を改善し、姿勢も良くなる。
高齢になって歯がないと長生きはできない。

奥村教授は「値段の高いサプリメントを買うよりは,歯にお金をかけた方がよい」
とアドバイスする。(小島正美記者)

奥村流のストレス予防法
1 心を許せる話し相手をつくる
2 趣味をつくる
3 泣きたくなったら泣く、おかしいときは笑う
4 異性に関心を持つ
5 腸内環境を整える
6 検査結果に一喜一憂しない
7 よく笑う
8 適当に運動する
9 粗食でなく、食べる楽しみをもつ
10 何かあっても、能天気に構える


参考文献:毎日新聞 2016.1.28.付 おしえてドクター

みなさ〜ん 参考にしてくだいねッ。