よしざわクリニック|乳腺科 内科 外科 消化器科 肛門科 整形外科|胃がん検診 大腸がん検診 乳がん検診|栃木県 宇都宮市

よしざわクリニック

〒321-0104 栃木県宇都宮市台新田1-2-25
TEL:028-658-6111
0120-4430-92(よしざわ9リ2ック)

お知らせ
RSS
2019年4月8日
がん「ステージ4」でも諦めない (2)
がん「ステージ4」でも諦めない (2)
毎日新聞の記事からの抜粋です。
自らも闘病中の三輪晴美記者の報告です。
治療中の方の「希望の光」となることを願って掲載します。

<すい臓がん〜完治への闘い〜>

がんの中でも「難治」とされるのがすい臓がんだ。
早期発見が難しく、診断時にはすでに転移があり、余命数ヶ月という場合も少なくない。
ところがすい臓がんで最も進行したステージ4と診断され、
治療を経て7年半後の今も元気な人がいる!

<抗がん剤耐性除去>
「がんは誤診だったのでは?今でもそんなことを言われます」
神戸市在住の水田賢一さん(69)がすい臓がんと診断されたのは2011年8月。
当時、兵庫県川西市の副市長という重責を担っていた。
人間ドックで腫瘍マーカーに異常値が見つかり、検査で病が特定される。
「膵尾部」に直径21mmの腫瘍。早期発見で手術も難しくないと診断された。

医師は「こんな小さなすい臓がんは初めて見た」といったが、
いざ開腹すると、がんは腹膜にも転移し、あちこちに散らばる「腹膜播種」という状態だった(Stage 4)。
何も切除することなくメスは置かれた。

「手術すればすぐに職場復帰できる」
そう考えていた水田さんは、ただ茫然とするしかなかった。

そんなとき、知り合いの医師から
「ユニークな治療をする医師がいる。一度受診してみては?」と勧められた。
紹介されたのが現在、兵庫県西宮市の明和病院で腫瘍内科部長を務める園田隆医師だった。

水田さんの状況で残された治療は抗がん剤だけだった。
すい臓がんは薬への耐性ができやすく、すぐに効かなくなる。
園田医師は科学的データの確立された標準治療を基本にしながらも、抗がん剤の耐性を除く薬を使う。

この治療で、一部のすい臓がんと乳がん患者に効果が見られ、
ある乳がん患者は肺転移と5度の脳転移、さらに髄膜播種を経ながら完全寛解した(17年12月3日付記事で紹介)。
園田医師の治療は大規模な臨床試験には至っていないものの実績を重ね、信頼を寄せる医師や患者は多い。

<腹膜の腫瘍が消滅!>
水田さんの闘いはここから始まった。
抗ガン剤治療のため当時園田医師が勤務していた甲南病院(神戸市)に入院した。
投与翌日から下痢をはじめ副作用に襲われる。
強い倦怠感に食欲不振、味覚障害に脱毛。
トイレ以外は起き上がれず、1日にヨーグルトひとさじという時もあった。
「心も体も限界だ」そう感じても、翌日になると何とか持ち直し、
体力維持のために病院を散歩する。そんな日々だった。

「生きているこの時間を大切にしなければ」
さらに園田医師の「延命ではなく根治を目指す治療だ」という言葉に大いに励まされた。

3ヶ月半後の11年11月、退院が決まる。
検査の結果、すい尾部の腫瘍は縮小、腹膜からは画像上腫瘍が消えていた。

秋の大事な市議会に出席できるタイミングで、水田さんの職場復帰はかなった。
翌年1月に手術。手術は園田医師の治療を理解し、
かねて効果を実感していた明和病院の生田真一医師が引き受けた。

開腹するとがんは腹膜には形跡もなく、
体尾部と脾臓、周囲のリンパ節をとって手術を終えた。

「手術をしなければすい臓がんは今のところ治癒はしません」
「ここ10年で効果の高い抗がん剤が出てきて、
転移のあるすい臓がんでも腫瘍が消えたりして、
手術できる患者が増えた」
とはいえ、腫瘍が縮小しても、肉眼的にとりきれなければ手術は勧められない。
その見極めが難しい。
現在、明和病院の外科部長を務める生田医師はそう解説する。

「転移の数が少ない」「術前の抗がん剤が効いた」「60歳前後まで」
それが手術をする条件だ。
高齢者の手術が難しいのは「臓器が若くなければ体力がもたず闘えない」から。

条件に合い、抗がん剤治療から3〜6ヶ月で腫瘍が取れそうなら手術の対象となる。
しかし、他の施設ではその期間が長く設定され、そもそも腹膜播種がある患者は対象となりにくい。

「基準に厳格な大病院ではなく、中規模病院だからこそ柔軟に対応できる」と生田医師は語る。

ステージ4のすい臓がん患者の余命は通常12ヶ月(平均値)に満たないが、
明和病院で手術に至った患者は29ヶ月だ。
さらに治療開始から5年以上を経過している患者が水田さんを含めて現在4人。

すい臓がんは進行が早いため、5年以上再発がなければ治癒に等しい。
「園田医師の治療があってこそ。手術の前に腫瘍が9割は消えていることが珍しくないですから」と生田医師。

水田さんは手術後、再発予防のために抗がん剤治療を1年続けた。
この時は腹部にポートを埋め込み、腹腔に直接薬を注入する「局所化学療法」で徹底的に治療した。
手術のダメージもいえない中「容赦なかった」と水田さんは笑う。
しかしその結果、寛解して市の職を辞した後も充実した日々を送っている。

<ステージ4でも救える命は救う!>
これが、園田医師と生田医師の強い信念だ。
ガイドライン通りの治療ではないため、
患者に詳しく説明し、納得を得た上であくまで「臨床試験」として行う。

「水田さんと同じように困難だが治癒が可能な例はある」と両医師は口をそろえた。
「もちろん、全国をまわってこの病院にたどり着いても、良い結果が出るとは限らない。
それでもよそに転院した患者は記憶にありません」
「結果がどうあれ、最期までケアします。緩和ケアも丁寧な方がより長く生きられますから」と生田医師。

ただ、標準治療でない治療を受ける際には細心の注意も必要だ。
「治りたい」患者の気持ちにつけ込み「ステージ4でも諦めない」などと言って、
効果の見込めない治療を高額で施す医療機関もあるからだ。

一方、目の前の患者の人生を思い
「できる限りのことはやる!」という両医師のような治療もある。
医師の熱意と努力で救われる命もあるのだ。

と結ばれていました。(毎日新聞2019年3月30日 東京朝刊より)

<インチョーより…>
こういうケースは希少かもしれませんが、症例を厳選し、
少しずつ実績を積み重ねることが重要と感じました。

なぜ治癒に至ったのかを丹念に分析することで治癒の足がかりが見えてくるような気がいたします。
がん縮小後3−6ヶ月で手術に踏み切る、局所化学療法などは現在のガイドラインでは否定的ですが
見直すことも必要ではと感じました。
抗がん剤の耐性を除く薬を使うというのも興味がわきました。

ポイントはありふれたことになってしまいますが、
抗がん剤の進歩とそれに負けない体力・気力を維持しながら
主治医とよくコミュニケーションをとりながら、
治療に粘りつよく取り組んでいくことだと読んで希望が湧きました。

これからも皆様の希望の光となるような「情報」と「医療技術」を提供して参りたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。