よしざわクリニック|乳腺科 内科 外科 消化器科 肛門科 整形外科|胃がん検診 大腸がん検診 乳がん検診|栃木県 宇都宮市

よしざわクリニック

〒321-0104 栃木県宇都宮市台新田1-2-25
TEL:028-658-6111
0120-4430-92(よしざわ9リ2ック)

お知らせ
RSS
2019年1月7日
新年はきっといい年になる!〜うつ病と戦っている人へ〜
新年はきっといい年になる!〜うつ病と戦っている人へ〜
12月になると、診察室でも「今年を振り返る話」が多くなり気がする。
「次回の予約は…あ、もう来年ですね」
「1年は早いですね。今年もうつ病が治らなかったということですね」
「春ころよりかなり良くなってますよ」
「そうでしょうか。来年は仕事に復帰したいなぁ」
「それを目指しましょう」
そんな会話を交わしながらいつも思うのだが、
「精神科に通院している」というのは、
ある人の人生の中で、かなり予想外の出来事のはずだ。
それが1年、2年と続くと、
さらに「こんなはずでは」と気が滅入るだろう。
ただ「年末の今、辛い症状があって病院に通っている」ということは、
「来年は回復している可能性がある」ということでもある。

「来年は今年より良い年になるはずですよ」と確信を持って伝えて、
「先生、ずいぶん自信があるんですね」と笑われることもある。

しかし、私は本気でそう思うのだ。
自分も体調の悪いときや、悲しい出来事があったときは
「今が一番ひどいんだ。これからは良くなっていく一方だ」と自分に言い聞かせる。

もちろん、たまにはさらにひどくなることもないわけではないが、
大抵は後から「確かにあのときが“気分の底”だったな」と思う。

よく「精神科医って暗い話ばかり聞かされて、自分まで暗くならないですか」と質問される。
実はそんなことはない。確かに患者さんの“気分の底”を目の当たりにすることにはなる。

ただそれから、その人がまさに底力を発揮して、少しずつ回復していく様子も見ることになるので、
逆にこちらも励まされたり元気が出たりすることも多いのだ。

昨年一年あまり良いことはなかった、という人もいるだろう。
そういう人は「今が底なのだ」と考えてはどうだろう。

だとしたら、新年になれば心の回復の兆しも見えてきて、良いこともあれこれ起きるはずだ。
そのときには「少しくらい良いことがあっても仕方ない」とは考えず、
「やった!ちゃんと楽しいこともあるじゃない」と大いに喜び、復調をかみしめよう。

悪いことばかりは続かない。
どんな人間にも底力がある。

この2つさえ信じていれば、今年はきっと素敵な年になるはずだ。
診察室で「先生、本当ですか?」と疑う人には、
「今だけは私を信じてください」と言って笑顔でうなずいて見せることにしている。

亀山リカ「ココロの万華鏡」(2018.12.18. 毎日新聞)より

多くの方を診させて頂いておりますと、
あのときは辛かったけれど、
人生投げ出さなくて良かったと思う方に数多くお目にかかります。

そしてそういう方の方が、人間味のある魅力的な人であるようです。
また、辛いこと、大変なことの方が、後になっては良い思い出になるような気がいたします。

本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。