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2017年6月6日
治療法の判断で迷った時に…
<意思決定>と 健康を決める力!
治療に際して、判断を迷うこともあります。
そのようなときの参考になりますれば幸いです。

「決める」とは「意思決定」とも呼ばれます。
それは行動する前に2つ以上の選択肢から1つを選ぶことです。

人生は流れに任せてきたという方はいませんか。
自分で決めたつもりでも、実は選択肢は1つしかなかったのかもしれません。

それでも「これでいいのだ」とわかったような顔で受け入れてきたことも少なくないように思います。
小さな頃から、複数の選択肢を探す意識を持たないと、意思決定が苦手になるかもしれません。

とくに大事な場面で、後悔しないようにするには、相応の数の選択肢が必要でしょう。
より良い意思決定のためには、可能性のある選択肢を全て入手すること、くれぐれも選択肢を消さないことが大事です。

以前、看護の方々を前にした講演で
「結婚相手を探しているなら、福山雅治さんを遠慮しないで選択肢に入れてください」と話しました。

選択肢に入っていれば、たとえ見込みが低くても、チャンスは残されています。そしていつでも消せるのです。

例えば、医師に「あなたの場合、手術か抗がん剤治療…そんなところですね」と言われた場合、
医師の考えで選択肢が消されているかもしれません。

患者の意思決定を尊重する医師なら
「手術か抗がん剤治療、放射線治療、ホルモン療法、代替療法、少し様子を見て経過観察、があります。それぞれの長所と短所は○○と××…」と言ってくれるでしょう。
もし「もうできる治療法はありません」と告げられても選択肢なしで意思決定はできません。
自分の前に全ての選択肢がそろっているかを医師に確認する必要があります。

情報とは意思決定に必要なもの。
意思決定をするのは情報の提供者ではなく、受け手です。

受け手中心の信頼できる情報とは、選択肢のリストとそれぞれの長所と短所の説明によって、意思決定を支援するものです。

選択肢を消すのは、全ての情報をよく理解して、胸に手を当てて、何が大事かを決めた後です。

とありました。

<インちょーより>
私たち医師は、医療のプロであるという自負から
つい自分の知っているもののみが絶対だと信じる傾向にありますが、
様々な分野の本を読んでみると、それがいかに浅はかであるかを思い知らされます。

大切な患者さんの命の治療法の選択の際に、
多くの選択肢を提示するとともに、
しっかりした根拠を示せるような医師になりたいと思いました。

参考文献:
中山和弘(聖路加国際大教授):健康を決める力〜多くの選択肢確保を〜 毎日新聞 5月28日 東京朝刊.