よしざわクリニック|乳腺科 内科 外科 消化器科 肛門科 整形外科|胃がん検診 大腸がん検診 乳がん検診|栃木県 宇都宮市

よしざわクリニック

〒321-0104 栃木県宇都宮市台新田1-2-25
TEL:028-658-6111
0120-4430-92(よしざわ9リ2ック)

お知らせ
RSS
2017年4月18日
つかめ!人生の切符を
つかめ!人生の切符を
タレントの はるな愛 さんからのメッセージです。

小さい時から、女の子遊びが好きでした。
「リカちゃん人形が欲しい」と親に言ったら、
「あんたは男やろ!」と怒られましたね。
親戚が買ってくれましたが、親に見つかって全部捨てられました。
女の子っぽいことをする私が不安だったんでしょうね。

幼稚園の卒園が近づき、祖母とランドセルを買いにデパートへ行きました。
「赤いランドセル買ってもらえるかな」と期待しましたが、買ってもらえたのは黒で、「爆弾が落ちるくらいの衝撃」を受けました。
「この色の重みをこれから背負って生きていかないといけない」
かなりショックでした。

心は女の子なのに、人から見たら男の子。
小学生の頃から自分の将来が不安で、授業に手がつきませんでした。
「女の子になれるのか…」そんなことばかり考えていましたね。

中学生になったら、ひどい「いじめ」に遭いました。
「消えろ!」とか、悪口が書かれたノートが出回りました。
先生も同級生も誰も守ってくれませんでした。

「何のために生まれてきたんだろう」
いじめられる苦しみと性の悩みが絡み合い、命を絶つことも考えました。

でも今思うと、私は本当の自分自身を偽って、不安を押し隠して、格好つけていました。
自分に自信を持てるようになったら、いじめは終わりました。

自信が持てたのは、ニューハーフの人との出会いが大きかったです。
「男として生まれてきたのに、女になって、こんなに明るく生きている人がいるんだ!」と思いました。
中学生なのに、その人がいるお店に出入りし、初めて好きな人ができました。会いたくて学校をサボる。
公衆電話から学校に電話をかけて、母の声を真似して「大西を早く帰らせてください」というんです。
でも、何回も続くから怪しまれて、最後にはバレてしまいましたね。

「もう偽るのはやめよう」
性的マイノリティであることを父に告白しようと決めました。

ファミリーレストランに父を呼んで
「女の子になって自分の人生を生きていきたい」と伝えました。

息子の口から父が一番聞きたくなかった言葉だったはずです。
父は突然、フォークをテーブルに突き刺し、大粒の涙を流しながら、
「分かった。とことんやれ。絶対に後悔するな」と言ってくれました。

とにかく、女の子になりたくて、本来は週1回のホルモン注射を週3回打つぐらい必死で…1991年に性別適合手術を受けました。

女の子のアイドルとして芸能界で働きたかったのですが、そんな仕事は本当に可愛い子がやるわけです。
食べていくために東京・三軒茶屋でBarを始めました。
「私の良さってなんだろう」って考えて「可愛い女の子」というプライドを捨て、
「ニューハーフという事実」に向き合わなければいけない、と思いました。

どんなに逃げても、自分からは逃げられない。
逃げても始まらないんです。

世の中で大変な思いをしている人には、
悩んで動けないときこそ、
「そこから動いてみて!」と伝えたい。
必ず居場所が見つかります。

辛いことにしっかりと向き合って
「自分の中から押し出すように」答えを探して欲しい。
次のステージに立つ切符を手にするチャンスになるから。

私もこれからも辛いことはあるでしょうが、世界に向けて仕事をすることを目標にやっていくつもりです。

と結ばれていました。

はるな愛さんのこの寄稿から、
自分の人生を自ら切り拓くために、覚悟を決め、親と向き合う――
自分の良さは何かを真剣に考え、プライドをかなぐり捨て、事実と向き合って生きる覚悟。
また、親御さんも、自分の子供から最も恐れ、言われたくなかった事実を告白された気持ちはいかばかりであったか――

認め、支える人の存在の大切さ。苦労した中で学んだ人の気持ちの温かさ・優しさ。

などを学ばせて頂きました。
思うように進まなくて、もがき苦しみの渦中にあるときの参考になれば幸いです。

参考文献:
My Way〜わたしの生き方〜 毎日新聞 2017年(平成29年)4月17日付15面.