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2016年7月19日
授乳中のママさん方へ
授乳中のママさん方へ
今回は、育児に仕事にと顔晴ってらっしゃるママたちへ
毎日新聞の記事を紹介いたします。
参考になれば幸いです。

育児「だいたい」で

(母乳育児は大変素晴らしいものですが)
母乳にとらわれ過ぎるのは考えものです。
例えばミルクや水分など、母乳以外のものを一切あげないのは極端なやり方です。
おしっこやうんちの量が少なかったり、泣いて欲しがる間隔が短かったりしたら、
母乳が足りてないと判断できます。
その場合は、一時的にミルクを足すことも考えてください。
赤ちゃんも成長とともにだんだん飲むのが上手になるし、
それによって母乳も出やすくなっていきます。
夜間だけミルクを足すのも一つの方法です。

母乳の出方が確立するまでは徐々に、
そして気長に取り組むことが大事です。

病気などの理由で母乳をあげられない人は、
赤ちゃんを抱っこする回数を増やすなど、
積極的にスキンシップをはかることを勧めます。

逆に母乳であっても授乳中にテレビやスマートフォンに気を取られないようにしましょう。
赤ちゃんは本能的に、自分に関心が向いていないことを悟ってしまいます。

母乳がうまく出なくても罪悪感を持つ必要はありません。
必要な検診などを受けて健康状態を確認していれば、大抵は大丈夫です。
授乳に限らず、育児は思うようにはいかないもの。
「だいたい主義」でいいのです。
〜日本助産師会会長 岡本喜代子さんの言葉〜

<信頼関係作れる>
1989年に世界保健機関(WHO)とユニセフは、
「母乳育児を成功させるための10カ条」を設けました。
10カ条に沿って取り組む「赤ちゃんにやさしい病院(BFH)」の認定も始めました。
母乳育児が推進されるのは適切な栄養供給や感染予防だけでなく、
母子の基本的な信頼関係を自然に作れるからです。

常に一緒にいて、必要な時に飲ませることができる。
大切にされる経験を繰り返して赤ちゃんは他者に共感できる人間となっていきます。

母乳は出産後、赤ちゃんに吸われることで出るようになります。
特に出産後24時間の授乳回数は大きな影響があるため、
頑張るのは大変です。
本当にお母さんの体調が悪ければ、
医療者が一時的に赤ちゃんを預かることも必要です。

また、乳腺組織の発達状況や赤ちゃんの飲み方などの問題で、母乳があげられない人はいます。
BFHに認定された分娩施設で、サポートを受けても、約1割はいるでしょう。

母乳を与える努力をしつつ、赤ちゃんをたくさん抱きしめてあげて欲しいです。

母乳育児を推進するのは、育児をする上で自然な姿だからです。
誰でも、その人なりの母乳育児ができます。
うまくいかないときには、家族や医療者の支援が大切になります。
〜日本母乳の会副代表理事・日本赤十字九州国際看護大学 教授 吉永宗義さん〜

<親の気持ちが重要!>
現代は多くの情報が容易に手に入る一方で、
「何が正しい情報なのか」と不安がかき立てられる時代。
声を大にして伝えたいのは
できる範囲でやれば子供は育つ」ということです。

母乳の新生児行動に及ぼす影響を研究してきましたが、
睡眠時間や睡眠の深さ、脈拍などの状態を母乳とミルクで比較研究した際、
新生児行動に影響を及ぼすのは母乳そのものではなく、授乳行動だとわかりました。
ミルクでも、「抱いている時間」「飲む時間」「遊びのみ(口を動かすだけで実際に飲んでいない)の時間」を母乳のケースと同じにすると、ほぼ同様の行動パターンが得られました。
新生児行動に影響するのは母子の触れ合いです。
これが自己肯定感を育み、他者への思いやりを学んでいく「心の安全基地」になります。

自宅に乳児用体重計を備え、母乳を飲んだ量を測る方もいますが、
不安や心配の種になるだけでお勧めできません。
赤ちゃんの体格や成長のペースはそれぞれです。
1ヶ月健診で医師の判断に従って対応すれば間に合います。

授乳間隔が適当に開き、体重増加が順調なら問題ありません。
頻回に泣き、不機嫌、体重増加が見られない――などの特徴があると、母乳不足の可能性が高くなります。
不足分を母乳で補い、その後「遊びのみ」を十分にさせましょう。

赤ちゃんの発育は、母乳かミルクか、ではありません。
子を育てようという気持ちと、周囲の支援があれば、健康に育ちます。
母乳よりも、親の気持ちが重要です。

〜元・東京慈恵会医科大学 小児科主任教授 前川喜平先生〜

<院長より>
母乳が出る人は母乳で、ミルクの人はミルクでも愛情があれば大丈夫!
母乳が出ないからといって、自分を責めたり、罪悪感を感じる必要はないのですね。

「育児は思い通りにはいかないもの。だいたい主義でいいのです」
「誰でもその人なりの育児ができます」
「母乳よりも親の気持ちが重要です」

との言葉が、心に残りました。
来院するどのお母さんも一生懸命で真剣です。
当院では、「だいたいでオッケー牧場!(Chotto-Old-Ne!)」を応援しております。

<参考文献>
毎日新聞「母と乳(5)」2015年7月16日付