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2016年7月14日
命のメッセージ(2)
命のメッセージ(2)
<生きていることそのものに意味がある>

私たちはそれぞれ、人生のテーマを抱えています。
それは、体を張って畑を耕すことかもしれませんし、子供を育てることかもしれません。
作品を作り上げることかもしれませんし、人々に快適な暮らしを約束することかもしれません。
けれど、そういった具体的な内容はともかく、究極的な人生の目的は何かといえば、
それはたましいを磨くことなのだ、と私は思います。

人生の目的というと、天職につくことをイメージする人も多いのですが、
直接仕事と結びつかないことだって、たくさんあります。
通りすがりの人に微笑む、公共の場で汚れていたらちょっと片付ける、
子育てで疲れ果てているお母さんに優しい言葉をかけるなど、
そんなささやかなことが、私たちのたましいを磨いてくれるのではないでしょうか。
(こう考えると、小さな親切やマナーに取り組みやすくなりそうな気がいたします)
どんな人の心の奥にも、「人の役に立ちたい」という願いが眠っています。
そして、人の役に立っていると自覚できたとき、
私たちは自分を好きになり、輝く日々を送ることができるのです。

ある6歳の男の子は、お母さんにこう話しました。
せっかくこの世に生まれてきたのだから、何か自分の存在を通して恩返しした方がいいよ。そのために僕がいるんでしょ。僕は手伝わないけどね。
僕にはきちんとやるべきことがあるんだから。でも、いつまでもママのことを応援しているし、見ているよ。僕のママなんだから頑張れるよ!」
(こんなことを突然自分の子供に言われてしまったら親は……。どっちが親だかわからん?)

すべての子供がこんな気持ちを持っているのかどうかは、わかりません。
しかし、そんな風に語る子供は少なくないのです。(本当かな〜)

「自分の存在を通して恩返しする」というのは「人の役に立つ」ということでしょう。
ただしここで矛盾するようですが、「人の役に立つ」ことには、
もっと深い秘密があることにも気づかなくてはなりません。
つまり、<究極的には、私たちはただ生きているだけで、誰かの役に立っている>のです。

人の役に立つには、どんな自分でなければならないとか、
何かを達成しなければならないとかということは、決してありません。

若者の中には、どう生きていったらいいかわからずに、引きこもっている人も多くいます。
生きがいを見つけたいと思っても、焦るばかりで、全く行動に移せず、苦しんでいるのです。

そんな風に人生の目的がわからないという人は、生きていること自体に意味があるということに気づいていません。
けれど本当は、どんな人でも、誕生したというただそれだけで、お母さんの役に立っているのです。
(我が子が生まれたとき、どれほど嬉しかったか― つい忘れてしまいますねッ)
赤ちゃんが生まれたとき、お母さんは感動したはずですし、その感動はお母さんのたましいに輝きを添えてくれたはずです。

さまざまな不安があって手放しで喜べなかったとしても、それは親としての責任感がそう感じさせたのであって、
どんなお母さんも厳粛な気持ちでこの世に新しいたましいを迎えているのです。

それだけではありません。
私たちは、食べ物を食べたり服を着たりするとき、
それを作っている人たち、運んでいる人たち、売っている人たちの生計を成り立たせるのを助けています。
もちろん、生きていることで迷惑もかけていますが、
私たちがあらゆる人々と繋がっていて目に見えないところで人の役に立っているのもまた事実なのです。

そんな風に考えていくと、自分の人生には意味があると思えるようになり、
生きる喜びを感じられるようになるのではないでしょうか。


<参考文献>
池川明(2007)『子どもは親を選んで生まれてくる』日本教文社.