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2016年3月28日
認知症について(1)
認知症のご家族の方へ
現代病の一つである増加著しい認知症について、
日野原重明先生は、次のように述べられております。
患者さんのご家族の参考にしていただけましたら幸いです。

齢をとって頭がボケてくるのではと心配している人がいるかもしれません。
確かに齢をとると頭の構造はゆるんできます。
肉体的な面を見ると加齢とともに筋肉が落ちていきます。
しかし、知的な能力は落ちません。
認知症にならなければ、齢をとっても頭の判断力はむしろ磨かれていくのです。

ところが、認知症の人には、何が起きるかというと、
例えば数時間前の食事のおかずが何だったのかを、
ひどくなれば食事をとったかどうかを忘れてしまいます。
このように記憶力が低下するのがこの病気の特徴です。

しかし、記憶力が落ちても
「どちらのネクタイがいいですか?」などと尋ねると
「右の方がいいです」と答えることができます。
つまり現在進行形のことは識別できるのです。

私は認知症の患者さんを何人も診ていますが、
私に「先生、今日のネクタイはとても似合っていますね」と褒めてもらったことがあります。

しかし私から「あなたの名前は?」と聞くと答えることができません。
自分の年齢や名前を思い出せないのです。

認知症になっても、何もかもわからなくなるわけではありません。低下するのは記憶力です。
ですから、物を差し上げたり、援助したりすると「ありがとうございます」とお礼を言いますし、
介護する人が「帰ります」と言うと、
「気をつけて帰ってください。お母さんによろしく言ってください」と適正に判断します。

しかし、記憶力がないからと思い、その場限りのいい加減な対応をすると
「あの人は、私を本当に支えてくれないわ」と失望し不機嫌になります。

認知症になった人でも、その人に合った安心できるような環境の調整がされていれば、
物忘れがひどくても「どうもありがとうございました」とケアをする人に対してお礼を言います。

一方、記憶力が落ちたからといって人間でないようにぞんざいに接すれば、
認知症の人が「自分は嫌われた」と感じて非常に不機嫌になります。それは当然のことです。

皆さんも認知症の人には親切に、大切に接してあげてください。
物忘れをしても「さっき言ったじゃないですか」などと責めないで、
何回でも同じことを言ってあげることが必要なのです。

日野原重明著 いのち命を育む〜百歳の私から人生を楽しむための『道しるべ』 中央法規出版, 2011

認知症の方にはまごころを込めて話しなさい
認知症になっても、優しく接し 安心できる 心地いい環境を
と教えられています。

親子など近しい間柄になるほど難しいものですが、
できるだけこのように接していけるようサポートして参ります。