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2016年2月8日
ピンクリボン運動について
ピンクリボン運動について
毎日新聞の医療プレミア(正確で客観的な良識な記事が多くオススメ!)に
日本のピンクリボン運動について書かれていました。
みなさまも共感できる記事と思いますのでご紹介します。

参考にしていただけましたら幸いです。


日本各地でピンクリボン運動が展開され、
盛んに検診が呼びかけられています。
この時期が近づくと、正直憂うつになります。

それは日本のピンクリボン運動が、「早期発見・早期治療」という
つまり、検診の啓発しかほとんどしないからです。

ピンクリボン運動は、米国で始まりましたが、
元祖・米国では、「検診」については、
実はあまり強調されていません。
本来、米国では「乳がんに対して理解を深める」というキャンペーンです。

寄付金は、検診の啓発ではなく、
乳がんの「治療・研究」に主に使われます。

2013年の国民生活基礎調査によると、
日本の40〜60歳代の乳がん検診受診率は、43.4%
70%以上が並ぶ欧米に比べるととても低いので、受診率を上げるのは重要ですが、
啓発だけでは効果が十分でないのは明らかでしょう。
行政が検診台帳を整備して、乳がん検診を受けていない人への呼びかけを徹底すべきです。
(注釈:検診を受ける人は毎回受け、受けない人は1回も受けないという問題)

こうした問題点があるので、日本ではあまりに検診にばかりついて言うので、
検診せずにがんにかかった患者さんは、
「検診しなかった私が悪い」と思うようになりますし、
周りの人も「検診しなかったから悪い」というレッテルを貼るようになります。

若年性乳がんの患者さんもいます。
「がんになったことが、悪いことをしたかのように扱われるのはどうか」と思います。

「レッテル張り」については、がんに関する報道が増えた後、
「がんになるような食生活や生活習慣だったのでは」
「体を温めていたら、がんにはならなかったのに」
「無用なマンモグラフィーを受けて被爆したせい」
などの言説が、SNS上に溢れました。

そういった情報は、誤解を広げ、
がん患者さんを助けるどころか、傷つけるだけですね。
がんは家族歴も関係します。

また、マンモグラフィー検診は、デメリットもありますが、
50〜60歳代は受けた方が、死亡率が下がることが科学的に証明されています。

さらには、1回の撮影で、乳房が受ける放射線の量(0.05mSv)は、
一般の人が1年間に受ける自然放射線量(2.4mSv)の 1/50 程度に過ぎません。
不必要な放射線検査は受けるべきではありませんが、
健康への影響は、ほとんどないと考えて良いと思います。

今、大切なのは、
「がんは、誰でもがなる病気」
「がん患者さんを応援しよう!」
「がん患者さんが安心して暮らせる社会を目指しましょう」


という運動で、
それが本来の「ピンクリボン運動」が目指すべき姿ではないでしょうか。


毎日新聞〜医療プレミア〜2015.10.29.
日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科
 勝 俣 範 之 教授

〜院長からのコメント〜
勝俣教授は、専門医のお立場から、
行き過ぎた「抗がん剤否定論」にも警鐘を鳴らしていらっしゃいます。
“エキスパートドクター”らしい素晴らしいご意見と思います。
私も朝令暮改・反省して、検診業務にたずさわって参ります。
懸命に“顔晴っている”患者さんを、軽率な言動で傷つけることのないように、
重々心して治療に当たります。 
もし、傷ついてしまったときは、反省し改めますので、
“ビシバシ!”言うてくださいッ!