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よしざわクリニック

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2015年12月14日
第12回日本乳癌学会関東地方会に参加してきました。
第12回日本乳癌学会関東地方会に参加してきました。
(平成27年12月5日(土)大宮ソニックシティ・当番世話人;津川浩一郎/聖マリアンナ医科大学 乳腺外科)

実際の症例を用いた診断・治療の教育セミナー(井本滋/杏林大学乳腺外科)
J-START(乳がん検診における超音波検査の有効性を検証するための大規模RCT比較試験)の結果(大内憲明/東北大学腫瘍外科学)
乳がんゲノム研究の最前線(片桐豊雅/徳島大学ゲノム研究センター)
がんサバイバーシップとスピリチュアルケア〜サバイバーへの就労支援〜

伊藤高章先生(上智大学神学部教授)のお話を興味深く拝聴しました。
同様の内容が、ノバルティスファーマのホームページに紹介(さすが一流企業は社会貢献にも積極的ですねッ)されていたので、載せておきますね。

「押しつけ医療への一石」

我々医療者側は、ベストな治療法だといって、つい患者さんに治療を押し付けてしまいますが、チャプレンという仕事を通して、患者さん自身に物語を語ってもらい、ご自身が治療を選択するときの「証人」になること。

患者さんの話を聴きながら、「どうしてそう考えるのか」理解できないこともある。たとえば「もう生きていてもしょうがない」などという想い。でも、「『そんな風に考えちゃダメですよ』と諭したり、私が代わりに判断することはありません」と。その代わり、「なぜ、そう思うのですか?」と、質問で返してみる。患者さんは、自分の言葉の意味を語るうちに、自分の実感と言葉とのずれを感じたりする。さらに説明してもらうと、患者さんにとっても伊藤さんにとっても新しい問題への理解が開けることが多いのだという。(トホホ…ついやってまう、耳イタタ…)

「どんな患者さんにもその人の文脈があり、その中で一生懸命生きていらっしゃるのですから、私が外から『右だよ、左だよ』と言っても意味がないのです」「医療では、診断して病名をつけて、治療をしていくのが基本です。でも、そうした"診断型"の会話では、データにならない情報はこぼれてしまいます。私たちは、物語として患者さんの語りを聴き、味わい、会話をする。そうすると、患者さんは、分析の対象としてではなく「個」として聴いてもらう経験が得られると思うのです。こうした"人文学的"なアプローチを提供する人が、これからの病院に必要とされているのです。(人文学的アプローチかぁ…医者にはホント文系の要素が求められるな ぁ…)

「人は、自分の話を"個"として聴いてもらっていると思えると、次の一歩に踏み出すことができるのです。分析する対象として相手の話を聴くのではなく、『私という個人が、その方との関わりの中で、どう話を聴くのか』、『個性的な傾聴』〜自分自身の感性を磨いて相手と向き合う〜ことが、医療者側に求められているのです。(少し難しい表現ですが…自分自身の感性を磨いて…キラリと光る言葉ですねッ)
「求められているのは、患者さんの選択を支えること」
「インフォームドコンセントという言葉は、『説明と同意』と訳されがちですが、本来は説明を受けた上で同意することです。つまり、主語は患者さん。説明されたことを理解し、自分の人生に照らし合わせて考え、納得し、消化し、それからでなければ同意はできません。診断され、説明を受けてから、自分の価値観や家族との関係、生活の現状などさまざまなことを考えて自己決定しなければならない患者さんには、その決断に寄り添うスピリチュアルケアが重要だと思うのです」
病院に雇用されている立場では病院側に立った物の言い方しかできないこともあるので、より中立的な立場でいられればと思います。たとえばアメリカでは、地域住民が財団をつくって病院に一人分の給料を寄付し、チャプレンを置いているケースがあります。日本でも、自分たちに必要なケアや必要な職種を、患者さんたちが主体的に持ち込むという動きが出れば、と期待しています」
医療という客観的なデータを重視する場で、データからはこぼれ落ちる患者さんの物語を聴き、患者さんが行った選択・決断の"証人"になるチャプレン。自分が悩み、迷い、選択することを見ていてくれる人がいる―そう思えることで、「患者」としてではなく、一人の人間として歩むことができるのではないか。


講演で紹介された 
『串刺しの 心と書いて 患者です』 〜柏木哲夫(医師/日本ホスピスの第一人者)〜 
吾人は、つねににこの気持ちを忘れないようにしたいです。

12月で寒い日でしたが、反省と温かい気持ちになって、会場を後にしました。
サバイバーのみんな!がんばろー!(アッ、この押し付けがいけないのか…)