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2015年9月24日
診察することが多い 乳腺炎・乳腺膿瘍についてお話しします。
診察することが多い 乳腺炎・乳腺膿瘍についてお話しします。
Q1.乳腺炎を疑う症状は…
乳房が熱を持ち、しこりができる、赤みを帯びる、押すと痛むなどです。
38度を超える発熱、ひどい寒気、頭痛、関節痛などがあるときは、受診を勧めています。
他に腕を上げたり、赤ちゃんを抱っこすると胸のあたりが痛む時にも、乳腺炎のことがあります。
母乳が半透明の白い色ではなく、黄色っぽい母乳が出るときにも、乳腺炎を注意してください。

Q2.乳腺炎の原因は?
①母乳の乳腺のつまり(うっ帯)による乳腺炎
②細菌感染によるもの
に大別されます。
血液がきれいでないと、母乳も細菌感染しやすくなります。
ですから、ならないように予防するには、普段の食事と適度に体を動かすことが大切です。
また、体力や免疫力が低下しても乳腺炎などに罹りやすくなるため、睡眠をしっかりとることやメンタルストレスへの対策も重要です。
言うは易く行うは難しですけど…??

以下、乳腺炎予防のセルフケアについて書いておきますね。
ガンバっているママへの参考になれば幸いです。

1. 食事に気を配る
授乳中はお腹が空きやすく、疲れがたまるので、高カロリーなものや脂肪分の多いものを摂取しがちです。
しかし、母乳はママの血液でできているので、脂肪分の多い食べ物を必要以上に摂取すると、
母乳がドロドロになり、乳腺がつまる原因になり、乳腺炎になりやすくなります。
母乳で育てるママは、どんどん母乳に水分を取られて脱水気味になりやすいため、水分補給もこまめにするようにしたいですね。
ゴボウシ(ゴボウの種子)を飲むと、母乳つまりが解消され、乳腺炎に効果的といわれています(ネット購入や、当院で取り寄せもできます。
ツムラ®ゴボウシ500g/\3700)。

2. 胸を圧迫しないようにする
胸を圧迫して乳房の締め付けが強いと、乳腺の血行が悪くなって乳腺炎になりやすくなります。
妊娠前に使っていたワイヤーが入っているブラなどは、母乳で張った胸を圧迫してしまいます。
締め付けないゆったりとした木綿性の授乳ブラをつけるようにしましょう。
授乳するときにすぐに乳房を出して授乳できるような服装も大切です。
母乳パッドをつければ、母乳が服に漏れてしまうこともありません。
また、寝るときも注意が必要です。
横向きに寝ると、下になる方のおっぱいの乳腺を圧迫してしまうため、寝ている間に乳腺炎になってしまうこともあります。
なるべく仰向けに寝るようにしましょう。
慣れない姿勢の睡眠で腰が痛くなったときは、腰の下にタオルを敷くと楽になりますよ。

3. 授乳の方法を工夫する
片方の乳房だけの授乳や、同じような抱き方で赤ちゃんに授乳していませんか。
乳腺は乳頭を中心に放射状に広がっているため、片方だけや、同じ抱き方で授乳していると、
母乳が外に出ず、一部の乳腺に母乳が残ったままになってしまい、乳腺炎になってしまうこともあります。

オーソドックスなタイプは横抱きですが、縦抱き(赤ちゃんと正面に向い合って授乳する)や
フットボール抱き(ラグビーのボールを抱えるように)も意識して1日の授乳のうち1〜2回は方向を変えて授乳すると、まんべんなく乳腺の通りがよくなります。
また、左右交互に同じ量の母乳を赤ちゃんに与えるのも大切です。
通常、母乳は左右同じ量がわいてきます。
左右同じ量の母乳を赤ちゃんに意識して授乳してあげることで、両方のおっぱいの母乳をバランスよく維持できます。

最近は、母乳育児の優れた点が強調され、完全母乳育児にこだわる傾向が強いのですが、
あまりに固執しすぎて、かえって頑張りママを心身ともに苦しめてしまうことがあります。
育児は母乳だけではありません。
ミルクでもスキンシップを十分にとれば、かえって余裕のある、愛情を込めた育児ができることもあります。
時と場合によっては、母乳育児にこだわらなくてもいいのです。
大切なことは、母乳で育てることより、赤ちゃんを健やかに育てることですから。

乳腺炎を予防して、授乳を楽しく!
乳腺炎の予防はセルフケアが大切です。
毎日自分でおっぱいに違和感はないか確認しながら、気になる点があったら助産院や医療機関に相談してください。
ときどき赤ちゃんと一緒に飲んでみてもいいでしょう。
授乳し続けるのは根気と体力がいりますが、赤ちゃんが母乳を必死に飲んでくれる姿もまた可愛いものです。
授乳してあげられる期間は短く、かけがえのない輝く宝石のような体験ですから、
乳腺炎に気をつけながら授乳ライフを楽しんでくださいね。
ママの毎日の頑張りは、きっと赤ちゃんに伝わていますから。